ソッと想うこと
海外で生活していると、日本で起こる様々な出来事に立ち会えないことがほとんどである。
当たり前である。
悲しい出来事や、辛い出来事や、嬉しい出来事。震災や災害での事故。生命あるものとの出会いや別れ。
これらに寄り添えない。
遠くからソッと想う事しかできない儚さと辛さと悔しさを改めて感じる。
それと共に、迷惑をかけてしまうこともある。
だからこそ、ココで悔いなく2年間過ごさないとね。
さてさて、来週末から1ヶ月モルディブはラマダン(断食)が始まる。モルディブ人は朝から夜まで飲み物と食べ物は一切禁止。
そのため、体育の授業はナシ!!
この期間を利用し、体育の教師として派遣されている体育隊員に対し首都マレの教育省から仕事の依頼が!
主な内容は、モルディブの体育の教科書や指導書の見直しである。さらに首都マレの教員に対して体育授業の意義や進め方の指導を含めたワークショップの開催も計画している。
んぅ、やりがいがありそう!!!
以前から、体育の教科書には違和感を感じていた。
Practice at home……
え!??
自宅で練習!??
まぢでアスリートレベル。てか、こんな器具ない。吊り輪?跳馬?ないよ!!!!あってもできないよ!!!
これは小学校低学年の器械体操の教科書。
これは間違いなく見直しが必要。
絶対ムリ!!!て内容が多い。
てか教育省だって、なんかこれちょっと無理っぽくない?って薄々気付いてるはず。笑
ちなみにウサギ跳び30分間とかもある。授業時間35分なのに、ウサギ跳び30分?……授業終わっちゃうよ。悲しい。
てことで、教育省へ行き教科書の内容を張り切って突っ込んでこようと思います。特にこの器械体操のところ。笑
てことで、新しい風が入ってきそうでワクワクしています。
日本での様々な出来事に寄り添えない分、わたしはここで任務を果たす責任がある。
悔いがないよう、1日1日生きていこう。
辛いことはナニ?
気付けば私は日本から7000km離れた小さな島で、日本人たった1人で生活している。
そりゃもちろんいいことばかりではなく、苦悩も耐えない。
日本にいた時からある程度の辛さはイメージしていた。それプラス、自分なら大丈夫だろうなともなんとなく思っていた。
がしかし…甘かった。
全然甘かった。
いいことばかり格好つけて書くつもりもないから、今日は何が辛いのかちょっと考えてみよう!(いい意味で)
まずは、子どもたち。
彼らの何気ない一言に毎日傷付けられたり勇気付けられたりしている自分がいる。もちろん悪気なんてない。子どもは純粋で素直だからこそストレートに言葉を発する。
なぜだか、結構ひどい言葉を平気で言う。笑
友達同士でも、それ言ったら絶対傷付くでしょーー!って言葉もたまに耳にする。
「あっち行って!嫌い!」
これは、機嫌が悪い時のホームステイ先の女の子によく言われるけど、やっぱり傷付く。
理由を聞くと、
「あなたは家族ではない、しかも日本人。私たちとは違う。」
………そうだよね。ごめんね。でも私は大好きだよ。としか言えない。
もう少し大きくなったら、なんか変な日本人と一緒に住んでて、毎日好きだよって言われてたなって思い出すだけでいい。
でも、やっぱり傷付く。
次に、大人。
ごく僅かだが、子ども同様他国から来た人間への許容が無いなと感じる時がある。それは私だけではなく、他の国出身の先生たちに対してもそうだ。これはとても悲しい。
ちょっとした言葉のイントネーションや、習慣や、価値観の違い…など。
研修でよく「相互理解」という言葉を耳にしたが、お互いが歩み寄らないと基本的には無理な話。私が一方的に歩み寄っても意味が無い。
特にこの国は日本同様、海に囲まれた小さな島国である。他国や他島と協力してどうこうよりも、個々の島が確立して国が成り立っている。
だからこそ、保守的であり、外部から来た人間に対しては厳しくなってしまうのであろう。
でも、私は全力でこの国に溶け込もうとしている。この国の人びとの価値観を尊重しつつ先に理解を示したい。こちら側の理解を求めることもしない。
そして、現地語と英語が交差する生活は、脳みそが掻き乱される。
だから、ほとんど言葉を発さずに終わる日もある。
言いたいことあるのに…
本当はそうじゃないのに…
と奥歯を噛みしめるように感情を押し殺すこともある。だって、英語でも現地語でもまだなんて言っていいか分からない。
と、こんなような事がたまに起こる。
今回はばーっと辛いことを書いたけど、このような出来事は僅かで、毎日ちゃんと前を向いて生活できている。モルディブ人の優しさにもたくさん触れている。ホームステイ先のママやパパやお姉ちゃんたちもとてつもなく暖かい。子どもに傷付けられても、ママの笑顔で傷も癒える。
日本に居たって耐えられないほどキツイことは今まで沢山あった。その都度周りに救われながらその壁を乗り越えて来た。
今回も気付かないうちにひょひょいっと乗り越えていきたい。
でも自分一人で乗り越えた気にならないでいたい。
どの国に居たって私は純日本人、精神も日本人。
謙虚な姿勢と感謝する心は忘れないでいたい。
そして、基本的には日本で待ってくれている人たちがいること。日本で支えてくれている人がいること。この人たちがいるからこそ、自分が成り立っている。自分一人で生きている気になってはいけない。
それらを胸に、感謝しつつ、2年間覚悟をして過ごしていきたい。
なんてったってまだこの島に赴任して三ヶ月しか経っていない。まだまだ時間が必要。
でも、
「あっち行って!嫌い!」
は、本当に傷付くからやめてね。笑
次言ったら、もうチューインガムあげないからね!!!!
覚えときなよーーだ!!!!
モルディブについて…
やっと第一報告書の提出が終了。
ふぅ。こうして文字にしてアウトプットをすることで自分の活動を振り返ることができる。
そして、モルディブに派遣されてもう三ヶ月かぁ、としみじみ。
初めてモルディブという国を知り、毎日新しいものに触れた。いろいろな感情が揺さぶられて、悲しかったり寂しかったり嬉しかったり...慣れることに必死で慌しい毎日を過ごしている。
そこで今回は第一報告書の項目にもあった「受入国の印象」をもとに、モルディブについて考察してみた。
まず、モルディブは全人口がイスラム教徒ということもあり、宗教に溶け込んだ生活がとても印象強い。
一日五回のお祈りがあり、男性はムスクへ行き女性は家でお祈りをする。しかし場合によっては時間きっちりお祈りをするわけでもなく、必ずしもムスクへ行かなくてはならない、という雰囲気でもない。このお祈りの時間帯には街中にあるほとんどの店が閉まる。女性に関しては露出過多の服は禁止されており、外出の際も肌の露出を避けるために、顔全体を覆うブルガを着用する。
暑がりな私は、全身を覆う服装でこの常夏で生活するのは無理!!なのでここは外国人ということを強く主張し、毎日半袖ですごしている(ホントに死ねるくらい暑い笑)
モルディブ人の気質としては、南国独特のおっとりのんびりした性格を想像していたがそうでもない。
家事や仕事に関しても常に忙しくしているアグレッシブなモルディブ人が多い。教員に関しては、朝から夜までみっちり働いている印象。食事に関しては、ほとんどが魚料理中心である。左手は不浄とされているので右手を使って食事をする。朝はロシというクレープ生地を主食とし、ツナとココナッツとオニオンを混ぜたマスフニやカレーをおかずとして食べる。昼と夜は米を主食とし、焼き魚やカレーをおかずとして食べる。日本食に近い味なので、日本人の口に合う料理が多いと感じる。
気付いたら、ほとんどカツオとカレーしか食べてない。
カツオの顔も見たくないくらいカツオ食べてる。
ということで、なんやかんや気さくで優しくて繊細なモルディブ人と残りの活動、頑張っていこう!!!!